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「ゆく河の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず」
 これは、流れ行く時代のむなしさ、移り変わる世のはかなさを詠んだ鎌倉時代の随筆・方丈記の書き出しです。
作者は鴨長明。長明は、平安から鎌倉時代にかけて賀茂の神社で代々神官を務めた鴨氏の家柄の出身です。
この頃の京都は、貴族に変わり、武士が台頭してきた時代でした。長明は、都の喧騒から離れ、郊外の山里でひっそりと暮らす生き方を選びました。
 伏見区日野の法界寺から沢に沿って山を登って行くと、山中に巨大な岩があります。これが「方丈石」と呼ばれる岩です。
長明はこの岩の上に方丈の庵、つまり一丈・約三メートル四方の小さな家を建て、そこで暮らしたといいます。
 長明ゆかりの下鴨にある河合神社には再現された方丈の庵があります。
その造りは屋根と柱・板壁を掛け金で組み立てたシンプルなものです。
世間のしがらみや、続いた戦乱に心をいためてきた長明にとってここで暮らすことは、心休まるひとときだったのでしょう。
現代の人には長明のような生き方をすることは難しいかもしれませんが、長明が見つめたように移り変わる人の世のはかなさについて考えてみることも必要なのかもしれません。
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